伏見稲荷大社への提案〜こうすれば車椅子でも千本鳥居へ行けるのでは!?

ほかの階段に比べると段差は低い
ごりら

こんにちは! ごりら@goriluckey)です!!

先日、伏見稲荷大社を参拝している時に稲荷山へ続く階段の下で車椅子の人を見かけたんですね。外国からの観光客のようでした。

ごりら

そうか…車椅子やったらここまでしか進めへんのか…

この記事では車椅子で伏見稲荷大社をもっと快適に参拝できるようにするためのバリアフリー案をまとめてみました。

公共施設や商業施設ではバリアフリー化がどんどん進んでいますが、寺社仏閣は対策が取りにくいのが実情です。

ですが、「アイディアを出し合えば今より快適な環境をつくることができるかも!? 」って思うんですよね!

【追記】伏見稲荷大社にエレベータ設置! 本殿から千本鳥居まで階段を使わずに移動できる!

伏見稲荷大社の境内(本殿の裏側)にエレベータが設置されました。2020年4月1日から利用可能となっています。

伏見稲荷大社に設置されたエレベータ
伏見稲荷大社に設置されたエレベータ

このエレベータを利用することで本殿から千本鳥居や奥社奉拝所おくしゃほうはいしょ(奥の院)まで階段を使わずに移動することが可能です。

千本鳥居の手前の階段
千本鳥居の手前の階段

本殿から千本鳥居の手前にある奥宮おくみやの間には階段が2箇所あります。エレベータの設置によりこの区間の移動が不要となりました。

エレベータの利用により短縮できる区間
ごりら

伏見稲荷大社は基本的に坂道が多いですが、エレベータの設置でスムーズに参拝できるエリアがかなり広がりました!

はじめに

わたしは以前車椅子で大阪城を1周するのにかかる時間の検証に参加したことがあり、車椅子にとってはわずか数cmの段差であっても非常に大きな障害物になるということを体感しました。

ほんの少しの段差が障害物になる
ほんの少しの段差が障害物になる

この記事を書いている時点で、わたし自身は車椅子ユーザーではありません。家族も車椅子を使っていないので、わたしは日常的に車椅子のある生活に接しているわけではありません。

それにわたしは車椅子をはじめとした福祉用具の知識、あるいは建築土木の知識はまったくありません。この記事で紹介しているのは「もしもここがこうなったら車椅子が快適に進めるかも!? 」というアイディアです。

なので、専門家が見れば「それは無茶や」とか「工事費用がいくらかかると思うんや」といったこともあると思います。

もしかすると、わたしの意思に反してだれかを傷つけるような言いまわしをしているかも知れません。

ごりら

お気づきの点やご意見がございましたらご連絡ください。

車椅子で伏見稲荷大社を参拝できる範囲

まずはじめに2017年5月時点で、車椅子で参拝できる範囲やバリアフリーの状況を紹介しますね。

車椅子で参拝できる範囲

正直なところ伏見稲荷大社の境内はバリアフリー化が進んでいるとは言いがたいのが実情です。

伏見稲荷大社は稲荷山の麓にあるのでもともと坂道が多い場所なんですね。(有名な千本鳥居がある)本殿よりも先は神社の境内と言うよりは山の中をイメージした方がわかりやすいと思います。

2017年5月現在(2020年4月にエレベータが設置される以前)、車椅子で参拝可能な範囲や見どころはこんな感じです。

車椅子で参拝可能な範囲

  • 表参道(一番鳥居〜二番鳥居)
  • 楼門ろうもん
  • 迓拝殿げはいでん
  • 本殿・内拝殿ないはいでんの周辺
  • 祈祷受付所(伏見稲荷大社の御朱印
  • 裏参道(神幸道)

伏見稲荷大社の境内駐車場(無料)を利用すれば楼門ろうもんの近くまでクルマで行くことができます。

伏見稲荷大社の楼門
伏見稲荷大社の楼門

バリアフリーの状況

JR奈良線・稲荷駅の改札の目の前から続く表参道はきれいに舗装されているので、坂道ではありますが車椅子もスムーズに移動できます。

伏見稲荷大社の表参道
伏見稲荷大社の表参道

伏見稲荷大社は一番鳥居→二番鳥居→楼門ろうもん外拝殿げはいでん内拝殿ないはいでん→本殿が一直線に配置されていますが、本殿までには階段が2箇所あるので車椅子の場合少しまわり道をする必要があります。

楼門ろうもん前の階段

表参道を進むと伏見稲荷大社の正門にあたる楼門ろうもんが見えて来ます。

伏見稲荷大社の中でも人気の撮影スポットですが、車椅子でこの階段を上がることはできません。

伏見稲荷大社の楼門
伏見稲荷大社の楼門

なので、楼門ろうもんの北側(左側)の階段の横にある坂道を利用します。

楼門の北側にある坂道
楼門の北側にある坂道
ごりら

正直なところ、車椅子で上がるには勾配がきつめです…

なんとかこの坂道を上がって目の前にあるのが外拝殿げはいでんです。その奥に内拝殿ないはいでんが見えていますね。(本殿は内拝殿ないはいでんの奥に隣接しています。)

外拝殿と内拝殿
外拝殿と内拝殿

内拝殿ないはいでん前の階段

内拝殿ないはいでんに向かって直接進みたいところですが、内拝殿ないはいでんの前にも階段があります。

内拝殿の前の階段
内拝殿の前の階段

内拝殿ないはいでんの前の階段を回避するためには最初の坂を上がってそのまま真っ直ぐに進みます。

すると参道の端に車椅子が通れるスロープが設けられているんですね。

スロープが設けられている
スロープが設けられている

このスロープを通り、祈祷受付所を右に回り込むように進みます。

祈祷受付所をまわり込む
祈祷受付所をまわり込む

この左側にあるのが本殿・内拝殿ないはいでんです。伏見稲荷大社の参拝はこちらの内拝殿ないはいでんで行います。

左手に見えるのが内拝殿
左手に見えるのが内拝殿

伏見稲荷大社および公共交通機関のトイレ

伏見稲荷大社の境内やJR奈良線・稲荷駅、京阪本線・伏見稲荷駅のトイレに関する情報はこちらの記事でまとめています。

車椅子で伏見稲荷大社をもっと快適に参拝できるようにするためのバリアフリー案

車椅子で伏見稲荷大社を今以上に快適に参拝できるようにするためにはどうすれば良いのか、わたしなりにアイディアを出していきます。

内拝殿ないはいでん・本殿までの参道の修繕案

現在バリアフリーになっているように見える箇所も改善の余地があると思うので、その箇所から説明します。

外拝殿げはいでんへの坂道

先ほどご紹介した通り、楼門ろうもん前の二番鳥居から外拝殿げはいでんへ車椅子で行くには楼門ろうもんの北側(左側)にある坂道を利用します。

楼門の北側にある坂道
楼門の北側にある坂道

ですが、実はこの坂道は車椅子のためにつくられたのではなく車両が通るための道なんですね。

例えば稲荷祭の時にお神輿を載せたトラックが通行します。

稲荷祭ではトラックが通行する
稲荷祭ではトラックが通行する

わたしはここを車椅子で上がるのはちょっと危険だと感じました。車椅子で通行するにしてはあまりにも勾配がキツいんですよね。

国土交通省の「建築物移動等円滑化誘導基準チェックリスト」を確認すると「傾斜路」についてはこのようなチェック項目がありました。

傾斜路

  1. 幅は150cm以上(階段に併設する場合は120cm以上)であるか
  2. 勾配は1/12以下であるか
  3. 高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設けているか
  4. 両側に手すりを設けているか (高さ16cm以下の傾斜部分は免除)
  5. 表面は滑りにくい仕上げであるか
  6. 前後の廊下等と識別しやすいものか
  7. 点状ブロック等の敷設 (傾斜部分の上端に近接する踊場の部分)
  8. 上記①から③は車いす使用者の利用上支障がない部分については適用除外

出典: 建築物移動等円滑化誘導基準チェックリスト|国土交通省

「勾配は1/12以下であるか」というのがパッと想像がしにくいですね。国土交通省が発行しているバリアフリー法に関するパンフレットにイラストが載っているのですが、病院や公共施設の入口にあるスロープを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います。

勾配を緩やかにするには素人が見てもめちゃくちゃ大がかりな工事になるのはわかるので、現実的ではないと思います。

ごりら

せめて車椅子が通行しやすいような舗装にするだけでも変わるのでは??

本殿・内拝殿ないはいでんへの通路

先ほどご紹介した祈祷受付所の北側にある通路です。

祈祷受付所の北側のスロープ
祈祷受付所の北側のスロープ

実は手前の参道とスロープの間が砂利になっているんですよね。

わたしも車椅子を押す体験をしていなければなにも気づかなかったかも知れませんが、車椅子はちょっとした段差でも障害物になるんですよね。

ごりら

ここは車椅子がスムーズに通れるように修繕した方が良さそうですね!

車椅子で千本鳥居へ行けるようにするための修繕案

本殿までは車椅子でもなんとか参拝できそうです。ですが、伏見稲荷大社の境内の中でもっとも有名な千本鳥居にも車椅子で行けたら良いのにと思いますよね。

有名な千本鳥居
有名な千本鳥居

ですが、本殿から千本鳥居までは角度のある階段を上らないといけません。

千本鳥居へ続く参道の階段
千本鳥居へ続く参道の階段
ごりら

この階段を車椅子でも通れるように施工するのはさすがに無理か…

「なんとか車椅子でも千本鳥居へ行けるルートはないのか」…地元民が考えに考えたらひらめきました!!

ごりら

このコースならなんとかなるかも!?

2020年4月1日に本殿の裏側にエレベータが設置されたことにより、現在ではわたしがご紹介するルートよりも簡単に千本鳥居へ行くことができるようになっています。

車椅子で千本鳥居へ行くためのコース

わたしが思いついた車椅子で千本鳥居へ行くコースの全体像はこちらです。

車椅子で千本鳥居まで行くコース

  1. 裏参道をスタート
  2. 石の鳥居を左折
  3. 2本目の道を右折し坂を上がる
  4. 八島ヶ池(お産婆池)を右折
  5. 伏見稲荷山大社の境内へ
  6. すぐに左折し稲荷山への道へ
  7. 千本鳥居へ

コースのポイントを順番に解説していきますね。

裏参道は飲食店やお土産物屋さん、屋台が並んでいるので車椅子での通行も容易ではありません。

伏見稲荷大社の裏参道
伏見稲荷大社の裏参道

裏参道の途中にある石の鳥居の手前を左折します。伏見稲荷大社の境内は階段が多いので、住宅街から回り込むんです。

石の鳥居の手前を左折
石の鳥居の手前を左折

2本目の道路を右折します。

この先を右折
この先を右折

伏見稲荷大社の境内のように階段はありませんが、その代わりに坂道を上がることになります。

稲荷山へ向かって坂道を上がる
稲荷山へ向かって坂道を上がる

坂を上がったところに「八島ヶ池」(おさんば池)があります。この写真の右側にある白い壁のところを右折します。

坂道を上がったところで右折する
坂道を上がったところで右折する

この道を真っ直ぐ進むと伏見稲荷大社の境内へ入れるんですが…

左に見える垣根の奥が「八島ヶ池(おさんば池)」
左に見える垣根の奥が「八島ヶ池(おさんば池)」

この参道にもやっぱり階段があります。

この参道にも階段がある
この参道にも階段がある

もちろんちょっとした段差であったとしても車椅子で通過するのが困難なことはわかっていますが、ほかの階段に比べると1段1段の高さは決して高くはありません。

実際に1段あたりの高さを測ってみると、高さ約4cm×奥行き約40cmの階段が22段ありました。

ほかの階段に比べると段差は低い
ほかの階段に比べると段差は低い
ごりら

ほかの階段に比べるとここは車椅子が通りやすいように修繕工事をすることはできそうですよね。

この階段を通過したところで、すぐに左折してください。入り口にきつね像があるのでわかりやすいです。

入口にきつね像がある参道
入口にきつね像がある参道

この道は稲荷山の山頂に向かう道で、「京都一周トレイル」の東山コースの一部にもなっています。

稲荷山・神田への参道
稲荷山・神田への参道

入り口にあったきつね像から十石橋(朱色の橋なのですぐにわかります)までは舗装がされていない道なので、車椅子での通行はかなり困難だと思います。

舗装されていない道
舗装されていない道

左手にある十石橋は渡らずにそのまま真っ直ぐに進みます。ここから先は舗装されている道なので、車椅子でも通行しやすいです。(坂道ですが…)

ここから先は舗装されている
ここから先は舗装されている

この先に見えているのが千本鳥居の入り口付近です。たくさんの人が集まっているのですぐにわかります。

この先に千本鳥居がある
この先に千本鳥居がある

千本鳥居は日中はたくさんの観光客で混雑していますが、早朝は比較的人も少なく、幻想的な写真を撮るチャンスです。

幻想的な千本鳥居
幻想的な千本鳥居

まとめ|伏見稲荷大社を車椅子で快適に参拝するためのバリアフリー案

この記事では車椅子で伏見稲荷大社をもっと快適に参拝できるようにするためのバリアフリー案をまとめてみました。

千本鳥居までのルートは車椅子に乗っている人、介助の人にとって困難な道だと思いますが、伏見稲荷大社の魅力のひとつである千本鳥居もぜひ見てほしいと思います。

伏見稲荷大社だけでなく、特に神社やお寺を完全なバリアフリーにするのは不可能かも知れません。

ですが、「できること」もまだまだ残されていると思うので、たくさんの人ができる限り多くの場所を参拝できるように改善されると良いですね!

あなたの役に立つ!? 関連記事

伏見稲荷大社へのアクセス・駐車場の情報についてはこちらをご参考に。

車椅子の場合は境内駐車場を利用するのが一番です。公共交通機関なら表参道がすぐ目の前にあるJR奈良線・稲荷駅がおすすめです。