『リクナビ 2019』に見る日本企業の男女格差

ごりら

こんにちは! ごりら@goriluckey)です!!

2018年3月1日(木)、2019卒の就職活動が解禁され『リクナビ 2019』がオープンしましたね。

掲載社数No.1の『リクナビ』ならわたしのような「残業したくない、有給取りまくりたい」おっさんにもピッタリな会社があるかなーと思ってのぞいてみたんです。

いやー、売り手市場と言われ、学生にとっては有利な条件の会社がいっぱい見つかるかと思ったんですが、なかなか理想の会社って無いんですね。

今回は「わたしが『リクナビ 2019』の検索項目を見て気づいた日本企業の男女格差」を紹介します。

『リクナビ』を見ていると日本企業の抱えている問題が浮かび上がっておもしろ………ん? これって雇用の問題だけなのかな??

『リクナビ』の検索項目のうち性別が関係するもの

わたしが就職活動をした1990年代後半はまだ『週刊少年ジャンプ』のように分厚い就職情報誌で新卒採用をしている企業を探し、1社1社に対して資料請求ハガキを送っていました。

ごりら

そんな時代があったんやで…

今はネットを使えば自分が希望する条件の企業をさまざまな切り口で検索することができるので便利ですねー。

ですが、その検索項目を見ているとなんだか違和感が…

特に「性別」に関連のある検索項目は日本企業の実情が浮き彫りになっているなーと思うんですよね。

『リクナビ 2019』で性別に関連する検索項目はこんなものがありました。

  • 制度や特徴 > 休暇・残業 > 女性育休取得率
  • 制度や特徴 > 休暇・残業 > 男性育休取得率
  • 制度や特徴 > 新卒採用者の定着率・男女比 > 男女比
  • 制度や特徴 > 社員・組織 > 女性役員比率
  • 制度や特徴 > 社員・組織 > 女性管理職比率

検索項目が用意されているということは就職活動の学生に需要があるということなんですよね。

それと同時に、これからの検索項目は掲載企業にとっても自社のアピールができるポイントでもあるということです。

実際に『リクナビ 2019』を検索してみました。

育休取得率の検索値の男女差がすごい…!

まずはじめにわたしが目についたのは育休取得率の項目でした。

『リクナビ 2019』で検索できる育休取得率の男女別の検索値が極端なんですよね。

  • 女性育休取得率: 90%以上・100%
  • 男性育休取得率: 10%以上・20%以上

あ、別に『リクナビ』の仕様に文句を言いたいわけじゃないですよ。「男性育休取得率」を女性と同じように90%とか100%にしてしまうと検索結果に表示される企業が少なくなってしまいますからね。(…もしかしたら、0だったりするんでしょうか!? )

育児休暇取得率の数値が性別によって全然違うのは日本の企業の実情を表しているってことなんですよね。

女性の育休取得率100%ってなにをアピールしたいの?

実際に「女性の育休取得率」を検索してみると掲載社数はこんな感じでした。(2018年3月3日)

  • 指定なし: 30,154社(掲載企業数)
  • 90%以上: 8,617社
  • 100%: 8,496社

掲載社数30,154社のうち3割弱の8,496社が女性の育休取得率100%なんですね!

正直なところ、はじめにこの数値を見た時は「けっこう多いねんなー!! 」と思ったんですが、よーく考えると「うちの会社は女性の育休取得率100%です! 」ってなんか変なアピールじゃないですか?

企業としては「女性が働きやすい環境を整えて、女性を大切にしている会社ですよ!! 」というアピールなんだと思うんですね。でも裏を返せば「育児は女性の仕事」って決めつけていることにもならないですかね。

うがった見方かな…? あ、女性の育休取得率100%の会社が、男性の育休取得率も100%の場合は「社員の子育てを100%バックアップしている会社ですよ!! 」って言えますね!

まだまだ低い男性育休取得率

じゃあ、男性の育休取得率ってどんなものなのかって言うと、『リクナビ 2019』の検索項目に答えが出てしまっているんですよね。

女性が「90%以上」「100%」という数値なのに対して、男性はなんと「10%以上」「20%以上」という低さ…!

実際に検索してみると、こんな結果になりました。

  • 指定なし: 30,154社(掲載企業数)
  • 10%以上: 986社
  • 20%以上: 803社

「10%以上」と「20%以上」の社数を合わせても掲載社数の6%にも満たない結果です。

あえて『リクナビ』の仕様に一言物申すとするなら、「男性の育休取得率」は今ある「10%以上」「20%以上」に加えて「90%以上」「100%」という数値も加えた方が良いんじゃないかってことです。

こういうところから育児に関する意識の刷り込みを変えていきたいですよね。

社員の男女比って必要?

そうそう、わたしはこの検索項目も気になりました。

「新卒採用者の定着率・男女比」という検索項目があるんですね。

「新卒採用者の定着率」は「1年後」「2年後」「3年後」ごとに定着率がどれぐらいあるか(50%以上・70%以上・90%以上)を調べることができるんですね。

この検索項目に需要があるのはわかりますね。例えば、3年後に90%以上の定着率がある会社だったら、少なくともいわゆるブラック企業では無さそうやなという判断材料にできますから。

ですが、「男女比」の検索って需要あるんですかね? 仮にどちらかの構成比が高かったとして、その情報からなにを読み取って就職活動にどう活かせるのかがよくわからないんですよね。

男性の構成比が高いと男性にとってメリットあります? 女性の構成比が高いと女性にとって働きやすい環境ですか?

ちなみに、性別ごとの構成比はこのような結果になりましたよ。

性別 30%以上 50%以上 70%以上
女性 11,179社 7,177社 3,197社
男性 15,516社 12,636社 7,576社

女性の役員比率・管理職比率の検索値が低いっ!!

「社員の男女比」という検索項目は無意味な気がしますが、管理職比率・役員比率はキャリアアップのイメージをつかむ参考になりますね。

ただし、この項目の検索値も「男性の育休取得率」と同じで、「10%以上」「20%以上」という低い数値でした。

男性で育休を取る人は少ない、女性で管理職・役員になる人は少ないというのが前提になっているから、この数値になっているってことですもんね。

女性の役員比率

  • 指定なし: 30,154社
  • 10%以上: 5,055社
  • 20%以上: 3,913社

「役員比率」も「管理職比率」も似たような割合になっていますね。そらそうかー!

女性の管理職比率

  • 指定なし: 30,154社
  • 10%以上: 5,752社
  • 20%以上: 3,982社

この記事のまとめ

今回は「わたしが『リクナビ 2019』の検索項目を見て気づいた日本企業の男女格差」を紹介しました。

性別に関する検索項目の数字が低いのは日本企業の実情を物語っていますよね。

ですが、この数値の低さは企業の制度や、まして『リクナビ』の仕様の問題ではありません。

例えば「育児は女性がするのが前提で、男性がどれだけ携われるか」といった考え方ではなく、「育児をするのに性別は関係ない」という考え方が根付いていけば『リクナビ』の検索項目も変わっていくと思いませんか!?

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