橋の上にあるスライムみたいな形のやつ、アレ「擬宝珠(ぎぼし)」っていう名前なんですよ!

ごりら

こんにちは! ごりら@goriluckey)です!!

「へ〜! こんなものに名前があるんや〜!! 」って思うことがありますよね。

今回は「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」を紹介します。

ほら、よく橋の上や神社・お寺で見かけるスライムみたいな形のやつのことですよ!

「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」を見かける場所

京都に住んでいるわたしはいつもここを通るたびに思うんです。

ごりら

スライムが現れたっ!!

って。

その場所とは東海道五十三次の西の起点である「三条大橋」です。

京都の三条大橋

この三条大橋の上にスライムがうじゃうじゃいるんですよ〜。ほらっ!

三条大橋の「スライム」

これを見るたびに頭の中で「あっ、スライム…」って思い浮かべている人は絶対ほかにもいるはずですよ!!…「玉ねぎ」って思っている人もいるかもですね。

実はこの不思議な形をしたものにはちゃんと名前があるんですね。「擬宝珠」と書いて「ぎぼし」または「ぎぼうしゅ」って読むんです。

ついつい「スライム」の方に注目してしまいますが、「擬宝珠」の下をよ〜く見てみるとおもしろいですよ。

「擬宝珠」の下になにか書かれている!?
ごりら

なんか文字が書いてあるっ!!

スライム像の下に刻まれた文字…なんだか「ドラクエ」的な要素がありますよね!

ここに刻まれている文字の一部を書き出してみますね。上の段の左2行です。

天正十八年 豊臣初之

「天正十八年」は西暦1590年で、「豊臣」秀吉が小田原征伐を果たし、天下統一を成し遂げた年なんですよ!

この時につくられたスラ…いや、擬宝珠ってことですね。

ごりら

うっひょ〜! コーフンするぅ〜!

この三条大橋から南へ行くと「五条大橋」があります。牛若丸と弁慶で有名ですよね。

この五条大橋の上にもスライムの形をした擬宝珠を見ることができるんですよ。

京都の五条大橋

この擬宝珠もなかなか歴史がありそうな雰囲気が漂っていますよね〜!

五条大橋の擬宝珠

こちらにもなにやら文字が刻まれていますよ!

擬宝珠に刻まれた文字

この擬宝珠に刻まれている年代は…

正保二年

「正保二年」は西暦1645年で江戸幕府の将軍は三代・徳川家光。この擬宝珠もそんな時代からこの場所にあるんですね…!

擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」ってどんな意味があるの?

どこからどう見ても「スライム」にしか見えない「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」ですが、いったいどんな意味があるのでしょうか?

ごりら

単なるデザインとちがうの…?

今回紹介したのは橋の上にある擬宝珠ですが、そもそも擬宝珠ってどういうものなのか、『ウィキペディア』にはこのように記載されていました。

擬宝珠

伝統的な建築物の装飾で橋や神社、寺院の階段、廻縁の高欄(手すり、欄干)の柱の上に設けられている飾りである。

出典: 『ウィキペディア

ふむふむ、確かにスライムは橋の上だけじゃなくてダンジョン…いや、神社とかお寺でも見かけますよね。

ごりら

で、擬宝珠ってなんの意味があるんや〜!?

擬宝珠の起源は諸説があるんですが、主にはこんな2つです。

  • 「模擬の宝珠」という意味
  • 魔除け

「模擬の宝珠」というのは漢字から想像できるのでわかりやすいですが、「魔除け」ってどういうことでしょう!?

『ウィキペディア』から引用しますね。

ネギのもつ独特の臭気が魔除けにもなると信じられ、その力にあやかって使われるようになったとする説であり、擬宝珠という用字は葱帽子、葱坊主に後から付けられた当て字であるとするもの。橋や神社など仏教建築以外でも使われることの説明にもなる。

なんと! ネギは植物を栽培する時に害虫が寄ってくるのを防止するための「コンパニオンプランツ」として採用されることもありますが、魔除けにもなるんですね!

確かに擬宝珠は葱坊主にも見えますね〜。

葱坊主に見える!

まあ、スライムにそっくりな擬宝珠が魔除けのためっていうのもなんだか変な感じですよね。

「ドラクエ」に出てくるスライムにも「ぼくわるいスライムじゃないよ! 」って話しかけてくるスライムもいるので、三条大橋や五条大橋にいるスライムはきっと良いスライムなんでしょう…!

京都で見つけた「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」

ここでは京都で見つけた「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」をまとめています。

京都御苑・高倉橋の擬宝珠

京都御苑の「堺町御門」から入ってすぐ左側にある「高倉橋」の擬宝珠です。遠くの方に写っているピンク色の花は「黒木の梅」です。

京都御苑・高倉橋の擬宝珠

伏見稲荷大社の擬宝珠

これは伏見稲荷大社の外拝殿の擬宝珠です。「天保十一」と書かれています。西暦1840年、江戸時代も終わりに近づいていく頃の擬宝珠ですよ!

伏見稲荷大社の擬宝珠

この記事のまとめ

今回は「擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)」を紹介しました。

町中でよく見かけるスライムみたいなやつにこんな難読な名前があるとは知りませんでした!

しかも豊臣秀吉の時代から京都の街を守り続けてくれているとは、さらに驚きですね。

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はじめて「擬宝珠」という文字を見た時はなんて読めば良いのかわかりませんでした。難読漢字ってやつですね。京都には難読地名もあるので、いくつ読めるか試してみてください。