「医療クラウド」の重要性。未来のITなら声優・松来未祐さんを救えたのかも知れない。

こんにちは! ごりら(@goriluckey)です。

毎年2月の最終日には世界中で同時に「希少難病」に関するイベント『世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day)』が開催されるそうです。

日本でも2010年から始まっているそうですが、わたしがこのイベントを知ったのはGorian91さんの記事がきっかけ。

Gorian91さんはこの記事の中で「希少難病の当事者ではない人もたった1日ぐらい希少難病のことを考えようよ! 」と呼びかけられています。

毎日毎日、希少難病についてずっと考えることは難しいかもしれないけど、世界中でたった1日くらいみんなで希少難病について考えてみてもいいんじゃないかと思った。

でも、僕みたいな当事者だけで考えてたってあんまり意味が無い。希少難病の当事者が考えるのは当然だけど、そうでない人にも考えてもらってこそ意味があると思う。

みんなで記事を書いて発信すれば、多くの人に影響を与えられると思う。

今回はGorian91さんの企画に賛同してこの記事を書いています。

まず、はじめに。

Gorian91さんの記事をきっかけに「希少難病」について考えてみようと思い、「もし自分が希少難病だったら? 」とか「もしも自分の妻や子どもが希少難病になったら? 」と考えてみたり、「難病」をキーワードにWebで検索してみたりしました。

「希少難病」をテーマに考えることはともかく、それを表現するのは正直自分にはハードルが高いと感じました。

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それは希少難病に関する知識がわたし自身にあまりにもなさすぎることや「希少難病」という定義そのものも国によって基準が違ったり、やはり希少難病の当事者ではない自分自身の考えや言葉のひとつひとつはもしかしたら希少難病のひとを傷つけてしまうこともあるのではないかと思ったから。

ちょうどそんな時にGorian91さんのツイートで『NEWS23』で難病をテーマにした特集が放送されるということを知りました。

この特集は『TBS Newsi』でも視聴することができます。

亡くなられた松来未祐さんがわたしと同世代であること、まただれもがCAEBVを患う可能性があるということを思うととても他人事とは思えません。

今回はこの特集を見て感じたことを書くことで、わたし自身が「難病」と向き合うきっかけにしたいと思います。

もしわたしの知識不足による間違った情報や不快に思われる表現があったとしたら、ぜひ教えてください。

松来未祐さんの命を奪った「CAEBV」とはどんな病気なのか?

「CAEBV」…アルファベットが並んでいるだけでなんだかさっぱりわかりませんが、『ウィキペディア』には「慢性活動性EBウイルス感染症」という病名で記載があります。

「EBウィルス」そのものはほとんどのひとが子どものころに感染していて、風邪と同じように数日で治り、からだの中に抗体ができているそうです。

このウィルスがなんらかのきっかけで再活性化し、慢性的に増殖をするのが「CAEBV」という病気です。

『ウィキペディア』の概説を見ると、CAEBVを患ってしまうと助かる見込みがないという印象を持ってしまいます。

CAEBVは現在有効な治療が確立されておらず、血球貪食症候群を併発したり、最終的に多臓器不全や悪性リンパ腫などを発症することで高い致死率を示す予後不良の疾患である。

わたしが『NEWS23』の特集を見て受けたショック

わたしは『NEWS23』の特集を見る前に『ウィキペディア』を見て「CAEBVを患ってしまうともうどうすることもできない」というふうに思い込んでいました。

だから、わたしは『NEWS23』の特集を見て強烈なショックを受けてしまいました。

もしも自分が松来未祐さんの立場だったらどんなに自分の運命を呪っていただろうか。

もしも自分が松来未祐さんのご両親の立場だったらどんなに深い後悔の念を抱いただろうか。

わたしがショックを受けたのは、特集の中の「大阪府立母子保健総合医療センター 河敬世 顧問」のインタビューです。

この病気で一番怖いのは急変。そういう状態に陥る前に診断されて、計画的に今の治療を受ける。以前は不治の病だった。全員亡くなっていた。今は90%以上の人を助けることができる。

「え? 」と思いました。

わたしは特集を見る前に得た知識で「CAEBVを患う=死」という理解をしていたのにテレビでは

「今は90%以上の人を助けることができる。」

とおっしゃっているんです。

どんな病気でも同じことが言えるのかも知れませんが、CAEBVも早期発見ができ、適切な治療を受けていれば治すことができる病気だったんです。

わたしにはこの事実があまりにも衝撃的でした。自分に置き換えて考えると発狂しそうになります。

だって、早く気づいていれば、死なずにすんだかも知れないんです。

では、なぜ早期発見ができなかったのか。

それはCAEBVが「非常に稀な疾患である」→「難病指定されていない」→「知識を持っているお医者さんが少ない」という状況があるからです。

治す方法があるのに、早期発見できる環境がない。

つまり、これって「現代の医療の限界」ではなくて例えば「政治」や「なにか他の手段」で解決することができるんじゃないのか? と考えました。

例えば理想的な「医療クラウド」が実用化されていたとしたら?

わたしがCAEBVの「早期発見するための方法」として頭に浮かんだのは「医療クラウド」ということばです。

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医療分野では、カルテやレントゲン、診療記録、お薬手帳など様々な情報を扱います。

しかし、これらの情報は病院や薬局といった医療機関ごとに個別に管理しており、他の医療機関とうまく連携が取れていないことが課題です。

これらの情報をクラウド上に集め、医療業界全体で効率的に運用しようというのが医療クラウドの構想です。

※ 『クラウドサポート郡山』より引用しました。

自分の頭の中で都合が良いように想像する「医療クラウド」が実際にはさまざまな障壁を乗り越えないと実現できないのはわかっています。

理想的な医療クラウドを実用化するシステムやネットワークの構築、それにかかる費用、実際に医療クラウドを使えるようにするための教育、センシティブな個人情報を提供することへの国民の理解、法整備…

少し考えただけでもたくさんの課題が見えてきます。

ですが、もしも街の診療所から大きな病院、赤ちゃんからお年寄り、病気が治ったひと、治らなかったひと、極めて小さく細やかな情報のすべてが「医療クラウド」に集約されたとしたら、この膨大なデータベースの中からさまざまな可能性を考え精度の高い診断・治療ができるのではないでしょうか。

自然言語を理解できる「IBM Watson」

数多くの障壁を乗り越え「医療クラウド」が実現したとしても、膨大なデータベースの中から適切なこたえを見つけるのはカンタンなことではありません。そのデータベースを使うひと(医療クラウドの場合は医療関係者)のスキルに左右されてしまいます。

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ですが、その問題を解決できるかもしれない技術はすでに存在しています。

IBM Watson」(ワトソン)です。

ワトソン(英語: Watson)は、IBMが開発した質問応答システム・意思決定支援システムである。

『人工知能』と紹介されることもあるが、IBMはワトソンを、自然言語を理解・学習し人間の意思決定を支援する『コグニティブ・コンピューティング・システム(Cognitive Computing System)』と定義している。

※ 『Wikipedia』より引用しました。

「コグニティブ」とかあまり聞きなれないことばが並んでいますが、Watsonはこれまでの検索のように「キーワード」をもとに複数の検索結果が表示されるというものではなく、ひととひとが会話をするようにしてこたえを導くことができるんです。

今回の松来未祐さんのケースにあてはめて考えてみます。

「高熱が続いては治り、また高熱が出る。風邪以外に考えられることはないか?」とWatsonに問いかけると、Watsonが膨大な医療情報が蓄積された医療クラウドにアクセスし仮説を立てて確信度の高い「こたえ」を返してくれます。

仮にWatsonが「極めて稀なケースとしてCAEBVという可能性があります。」というこたえを導き出していたとすると、例えお医者さんに「CAEBV」の知識がなかったとしてもお医者さん、松来未祐さんが「CAEBV」という可能性にいち早くアクセスすることができていたのかも知れません。

今回「希少難病」について考える機会を提言してくださったGorian91さんに感謝しています。

Gorian91さんの提言がなければ『世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day)』のことを知るのにもっと時間がかかったかもしれません。『NEWS23』の特集を見ることも、「CAEBV」という病気を知ることも、どういう解決方法があるのかを考えてみることもなかったと思います。

松来未祐さんのことは「早期発見できていれば治っていたかもしれない」という事実がわたしにとってはものすごく強烈でした。だから「早期発見するためには」ということを考えてみました。

「希少難病」に関して自分がなにをすることができるのかは今もよくわかりません。ですが、「希少難病」と向き合い考えることはできますし、そこから生まれる行動やアイディアを積み重ねることが大切なんだと思います。

2月末の『世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day)』までもう少し考えてみようと思います。ぜひ、みなさんも「希少難病」のことを考えてみてください。

最後になりましたが、松来未祐さんのご冥福をこころよりお祈りいたします。

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